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偉大なバンドの磁場と志磨の無意識

偉大なバンドは磁場をつくる。
多くのリスナーを惹きつけるためだけの磁場ではない。簡単に言えば、フォロワーを生むということだ。

多くの場合、フォロワーバンドというやつは幾つかの類型に分けることができる。
最も一般的なのが、単なるマネだ。そこにオトナのマーケティングがある。この感じがウケる。ロジカルシンキングに長けた企業人は、スピーディーにトレンドをキャッチし、商品に反映させることができる。商品とは、売り出し中だけどテコ入れが必要な若手バンドかもしれないし、アイドルかもしれないし、若くして女優を兼業するシンガーソングライターかもしれない。
有名になりたいアーティストはたくさんいる。彼らはオトナに、ソレとわからないように、マネさせられる。

もう一つのフォロワーは、もう少しピュアなバンドたちだ。
偉大なバンドに心粋するあまり、他の音楽が耳に入らなかった男の子たち。例えば、BUMP OF CHICKENを聴くのに10代の全ての耳を捧げた少年が、20歳でバンドを立ち上げるかもしれない。彼は大衆にウケるためにバンプをマネる不誠実さなどこれっぽっちも持ち合わせていない。しかし、彼にとって音楽とはBUMP OF CHICKENのみであり、自分のパッションに忠実であることはつまり、BUMP OF CHICKENをやることでしかないのだった。

本題。最後のフォロワーは最も有能であり、音楽好きであった。
私は勝手に志磨遼平に親近感を持っている。最後のフォロワーは、心粋してしまった偉大なバンドが持つ磁場の外部に、自身の身を置こうと強くもがき、そのための客観性を持ち合わせているフォロワー、アーティストだ。

志磨遼平は多様な音楽が好きであり、多様な価値観を持ち合わせている。それはだれの真似でもなく、真にアーティティックだ。その前提の上で私は言いたい。志磨遼平は、銀杏BOYZの磁場にいた。

『人間ビデオ』を聴いて思ったのは、さすがに遠くまで来たな、という印象だった。
例えば長い黒髪や、なるたけ裸な男女の機微や、ピュアであることの定義や、あえて王道なポップスであろうとすることや、多様なカルチャーへの歩み寄りに、その細部はことごとくオリジナルであっても、峯田和伸の天然の流儀に習わざるを得ない志磨遼平の強い無意識を私は感じた。例えば、その高身長と長い手足を生かし、ファッショナブルであることへ自身をモチベートしていこうとする姿や、どれを聴いてもいい曲であれる技術には、峯田和伸から自由であれる強い有意識を感じた。

そこから長い時間が経ち、志磨遼平は、どんどん自由になっている。言い換えれば、どんどん遊べるようになっている。音楽が多様であることを、切迫感に突き動かされて追いかけるのでなく、それ自体を遊べるようになってきている。

『人間ビデオ』のスクリーモのようなラウドでマッチョなサウンドを聴いて、そう思った。峯田和伸は音楽で遊ばない。志磨遼平は峯田和伸の磁場をつくる核から、自由になっている。

サビはさすがのグッドメロディだが、いっそのことAメロのラウドネスで押し通せば、そこには新しいファンの集まるドレスコーズの磁場ができたのではないだろうか。

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