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最高なしあわせ加藤ミリヤ

ファーストネームで呼んで

サビの出だしが、「最高なしあわせ」ではじまる。その譜割りがとても良い。
「し」と「あ」が繋がって発音される様がとても洋楽的である。

奇抜一歩手前まで攻めるファッションからして、そんじゃそこらの可愛いだけの女とは違う、というパッションが伝わってくるだけあって、『最高のしあわせ』のようなバラードであっても、お茶の間のテレビには似合わさない大人っぽいアレンジである。

この世界には、加藤ミリヤを熱狂的に支持する女性たちがいる。
交友関係が狭いおかげで、彼女たちと友人になる機会を未だ得ていない私だが、かろうじて、旅先でひとり、加藤ミリヤのファンである女性と会ったことがある。

まず印象的だったのは、彼女が加藤ミリヤのことを「ミリヤ」と呼んでいたことだ。
まるでそれは友達を呼ぶようだった。

しかし、後々、加藤ミリヤの公式ホームページを見て、その理解がもう一歩捗ることとなる。
公式ホームページの記述は次のようなものだった。


"「最高なしあわせ」Music Videoは「幸せ」な瞬間を切りとっていて
一面の生花の前で歌うミリヤが印象的に出演しており、とても色彩豊かな映像に仕上がっています。"


そう、自身のホームページでも加藤ミリヤはファーストネームで語られていた。
それは、ファンにとって加藤ミリヤがどんな存在であるべきか、という加藤ミリヤ自身のプレゼンテーションなのだと思う。

ファンたちにとって、「ミリヤ」はそういう意味で友達なのだと思う。


しかし決してただそれだけはない。
なぜなら、周知の通り「ミリヤ」は憧れの対象であり、可愛くて、歌が上手で、ダンスが上手で、繊細で、深く大きな恋愛を経験してきているのだから。

だから、ファンたちが「ミリヤ」と呼ぶとき、そこには親しみだけではない、歓びと誇りがある。
歓びは、少し憧れていたクラスメイトと友達になって、その子を名前で呼べるようになったときの歓びだ。
誇りは、繊細で孤高なミリヤに自分だけはしっかりと共感できるプライドだ。

ファンからの愛され方にこそ、そのアーティストのアイデンティティが現れる。加藤ミリヤの「憧れていた同性の友達」というキャラクターは唯一無二だ。
だから、彼女のファンは長く、一途に「ミリヤ」を聴き続けるのだ。
その行いがまるで、歌の主人公とミリヤと自分自身の、一途な恋愛と夢を成就させるための祈りであるかのように。

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