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ハッピーエンドback number

良曲志向と女の子と区別の埋葬

Mr.Children、コブクロ。

わかる。わかるよ、清水依与吏。
back numberが先達から非常に強い影響を受けているのがわかる。
いや、影響という言い方は間違っているかもしれない。
それは、遺伝に近い。

ハッピーエンドは、ドラマティックなバラードである。
他のback numberのバラードと同じように。
日本人好みのメロディライン、切ない恋心の歌詞。
ストリングス but バンドサウンド。

そして、PVの女の子。
Jポップの発明、PVの女の子。
back numberはPVにすごい勢いで女の子が出てくる。
古くからJポップでは、ここぞという勝負曲のPVで女の子を出すのが通例だった。
しかし、back numberはほぼすべての曲で女の子を出してくる。
ここまでくると、確信犯なのだろう。
バドル漫画の序盤なのにいきなり最強の技を繰り出してるけど、ここで白けちゃ負けだ!って読者が付いてくる。
読者をそうさせる繊細な気概をちゃんと掴んでいるのだ。
それを毎週の連載で繰り出している。
神の一手も、何度も使ってしまえば、それはもうback numberの一手である。

慎重に手を付けることで効果的であれた禁じ手を、back numberが無尽蔵に繰り出せるのはなにも偶然じゃない。他バンドでは、5年に一度の勝負曲を、back numberは3ヶ月に一度出しているだけである。

では、なぜback numberはこう毎度毎度泣きどころで勝負できるのか。
先輩のMr.Childrenを振り返ってみてほしい。彼らは、肩の力抜けた曲や、尖った曲で、ときどき足場整えているじゃないか。骨のある音楽家としての。


思うに、back numberの強さは、足場を整えなくても全力を出せることになる。テイクバックが小さくても球速を出せる投手のようだ。それは現代の音楽業界が、自然発生的に生んだ最新型の作家性なのだと思う。


大衆音楽の歴史とは、区別とカウンターの歴史である。
ブルース、ロックンロールフォーク、サイケデリック、ハードロックヒップホップパンク、ニューウェーブ、テクノ、オルタナティブ。
ジャンルとは、一世代上のジャンルへの、反省をもとにしたカウンターで生まれる。
そこには先行ジャンルへの、明確な区別がある。先行世代との区別が、ニュージェネレーションの足場になる。

ロックンロールの誕生から半世紀以上経過して、この時代のback numberを聴いて思うのは、今のリアルな音楽には、区別もカウンターも存在していないということである。だからback numberは足場を整えながら音楽活動をする必要なんてなかった。

それがback numberの無節操な良曲志向の源泉にある。


おそらく、大衆音楽の歴史は長く豊かになりすぎたのだろう。
新型への進化とは、旧型の埋葬である。
旧型を埋葬するためには、旧型を区別する必要があった。

そして、ある時から、私たちは旧型の埋葬を必要としなくなり、その進化の在り方を変えたのだと思う。

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