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RANDOM MUSICランダムおすすめ楽曲から音楽をみつける

  • 夢見る人

    さだまさし

    ドラマ主題歌として書き下ろしの曲。 線の細いフォーク歌手であった往年のイメージからすると、出だしから、重厚なストリングスとピアノの光沢にいささか面食らう。 AKB48の指原莉乃が自身の誕生日にディナーショーを開催して話題になった。さすがの彼女も当日はドレスアップしており、日本歌謡史のスタンダードナンバーを中心に据えたセットリストはディナーショーに相応しい、フォーマルな仕上がりだったようだ。

RANDOM REVIEWランダムレビューから音楽をみつける

  • ドラマ主題歌として書き下ろしの曲。
    線の細いフォーク歌手であった往年のイメージからすると、出だしから、重厚なストリングスとピアノの光沢にいささか面食らう。

    AKB48の指原莉乃が自身の誕生日にディナーショーを開催して話題になった。さすがの彼女も当日はドレスアップしており、日本歌謡史のスタンダードナンバーを中心に据えたセットリストはディナーショーに相応しい、フォーマルな仕上がりだったようだ。

    そう、ディナーショーとはそういうものなのだ。
    『夢見る人』のソングライティングと編曲には、さだまさしが長年のディナーショーで、身につけた"フォーマル"が顔を出していると感じた。

    MVでの上品なスーツ姿もそうだろう。
    40年ついてきた女性ファンも歳をとった。
    ファンたちを想いを汲み取り、壮年男性として目指すべき格好良さを探ったさだまさしが出した答えは、「やさしいスーツの日本のおじさん」を極めるところにあったのかもしれない。みすぼらしさすら強みに変えた青年の頃とは大きく変わったのだ。

    変わったと言えば、次の歌詞に注目したい。

    "愛するとは 夢見ること
    愛しき人

    愛するとは 信じること
    夢見る人"

    なんて無害で抽象的だろうか。
    その具体的すぎるディティールが衝撃を与えた『関白宣言』や、

    "あなたの愛した母さんの
    今夜の着物は浅黄色
    わずかの間に年老いて 寂しそうです"

    と、あえて心に切り込むことでハッとさせた『精霊流し』などの代表曲と比べると、ピントがずいぶんとぼんやりしている。

    それは、もしかしたら、愛はディティールで語れるものではない、という紆余曲折の末のひとつの悟りなのかもしれない。という読みはきっと好意的にすぎる。彼に限らず多くのアーティストにおいて、キャリアを積むに従って歌詞がシンプルになっていく傾向は見て取ることが出来る。しかし、さだまさしのそれは端から端への極端な転向であり、とても興味深いものがある。

    それでは逆に、変わっていないところはなんだろうか。

    中性的なハイトーンヴォイスがそれだろう。曲作りにおいても、それを全開に活かせるように構築しているのが見て取れる。そのイメージを崩さないことへのこだわりと意地を随所に感じられるのは、それが「やさしさ」という彼の歌のもう一つのキーワードを支えるものになっているからだ。

    中性的ハイトーンヴォイスといえば、草食系ロックバンド隆盛の21世紀において、多くのバンドが武器にしているものだ。その元祖がここにあるのだから、若手は、さだまさしという歳のとり方を見ておくと良いのかもしれない。失うもの、残ったもの、固執したもの、変わらなかったもの。表舞台でキャリアを積むというのは、一番良いときのままではいられないということだ。無常への意識はいつだって、素敵な音楽をやれているかどうか、を分かつ岐路において、良い緊張感に変わってくれるものだと思う。
    『ディナーショーとハイトーン』 を詳しく ≫

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  • 夢見る人

    さだまさし

    ドラマ主題歌として書き下ろしの曲。 線の細いフォーク歌手であった往年のイメージからすると、出だしから、重厚なストリングスとピアノの光沢にいささか面食らう。 AKB48の指原莉乃が自身の誕生日にディナーショーを開催して話題になった。さすがの彼女も当日はドレスアップしており、日本歌謡史のスタンダードナンバーを中心に据えたセットリストはディナーショーに相応しい、フォーマルな仕上がりだったようだ。

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  • ドラマ主題歌として書き下ろしの曲。
    線の細いフォーク歌手であった往年のイメージからすると、出だしから、重厚なストリングスとピアノの光沢にいささか面食らう。

    AKB48の指原莉乃が自身の誕生日にディナーショーを開催して話題になった。さすがの彼女も当日はドレスアップしており、日本歌謡史のスタンダードナンバーを中心に据えたセットリストはディナーショーに相応しい、フォーマルな仕上がりだったようだ。

    そう、ディナーショーとはそういうものなのだ。
    『夢見る人』のソングライティングと編曲には、さだまさしが長年のディナーショーで、身につけた"フォーマル"が顔を出していると感じた。

    MVでの上品なスーツ姿もそうだろう。
    40年ついてきた女性ファンも歳をとった。
    ファンたちを想いを汲み取り、壮年男性として目指すべき格好良さを探ったさだまさしが出した答えは、「やさしいスーツの日本のおじさん」を極めるところにあったのかもしれない。みすぼらしさすら強みに変えた青年の頃とは大きく変わったのだ。

    変わったと言えば、次の歌詞に注目したい。

    "愛するとは 夢見ること
    愛しき人

    愛するとは 信じること
    夢見る人"

    なんて無害で抽象的だろうか。
    その具体的すぎるディティールが衝撃を与えた『関白宣言』や、

    "あなたの愛した母さんの
    今夜の着物は浅黄色
    わずかの間に年老いて 寂しそうです"

    と、あえて心に切り込むことでハッとさせた『精霊流し』などの代表曲と比べると、ピントがずいぶんとぼんやりしている。

    それは、もしかしたら、愛はディティールで語れるものではない、という紆余曲折の末のひとつの悟りなのかもしれない。という読みはきっと好意的にすぎる。彼に限らず多くのアーティストにおいて、キャリアを積むに従って歌詞がシンプルになっていく傾向は見て取ることが出来る。しかし、さだまさしのそれは端から端への極端な転向であり、とても興味深いものがある。

    それでは逆に、変わっていないところはなんだろうか。

    中性的なハイトーンヴォイスがそれだろう。曲作りにおいても、それを全開に活かせるように構築しているのが見て取れる。そのイメージを崩さないことへのこだわりと意地を随所に感じられるのは、それが「やさしさ」という彼の歌のもう一つのキーワードを支えるものになっているからだ。

    中性的ハイトーンヴォイスといえば、草食系ロックバンド隆盛の21世紀において、多くのバンドが武器にしているものだ。その元祖がここにあるのだから、若手は、さだまさしという歳のとり方を見ておくと良いのかもしれない。失うもの、残ったもの、固執したもの、変わらなかったもの。表舞台でキャリアを積むというのは、一番良いときのままではいられないということだ。無常への意識はいつだって、素敵な音楽をやれているかどうか、を分かつ岐路において、良い緊張感に変わってくれるものだと思う。
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