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RANDOM MUSICランダムおすすめ楽曲から音楽をみつける

  • STAY YOUNG

    THE SENSATIONS

    インターネット上の「次はこのバンドがくる!」なんて記事はすべて面白くない。バラエティ番組では、面白い発言にテロップがつくのではなくテロップをつけることでそれが面白いことであると決まっていくように、若手バンドのフィーチャー記事の背後を辿れば、そのバンドが既に選ばれているという事実にブチ当たる。 次のバンドとして選ばれたバンドは、永久機関になったビリヤードのように玉突きと補充の対象になる。

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  • インターネット上の「次はこのバンドがくる!」なんて記事はすべて面白くない。バラエティ番組では、面白い発言にテロップがつくのではなくテロップをつけることでそれが面白いことであると決まっていくように、若手バンドのフィーチャー記事の背後を辿れば、そのバンドが既に選ばれているという事実にブチ当たる。

    次のバンドとして選ばれたバンドは、永久機関になったビリヤードのように玉突きと補充の対象になる。

    次のバンドを聴きたい人や次のバンドで連帯したい人や次のバンドを書きたい人はたくさんいる。それは少しだけ金を産むし、それよりたくさんの自尊心をみんなに置いていく。次のバンドは、そうしてインターネットの海にリズミカルに吐き出されてくる。

    THE SENSATIONSの『STAY YOUNG』を聴いたとき、私は満を持して、「次はこのバンドがくる!」を書こうと思った。意外とキャリアがあったこと以外に、それを思い直した理由は、もはやそんな記事は誰の役にも立たないからだ。ある種の人は、次のバンドを次のバンドであるという理由で愛する。そんな世界に与するのはたとえ1000字だけでもよしたほうが良い。

    『STAY YOUNG』はとても良い曲だった。
    なるほど、「モータウン、ノーザンソウルなどの60'sフレーバーをPUNKのテンションで吐き出す」がモットーらしい。とはいえ直接的な影響は90's後半のジャパニーズインディーパンク/スカコアシーンだと考えるのが自然だ。
    DIY。自主レーベル。英語詞。SAX。突き抜けて輝くサビのメロディ。カッティング。半ズボン。ハッピーな仲間意識。
    蘇るそれは輝いていた90'Sの意匠たちだ。それもまたTHE SENSATIONSの魅力。

    イントロから展開の多さが目立つ。小技も効いている。ペコペコのスネアに引っ張られ所々で過剰に曲が前のめりになるのは意図してのことだろう。メロディの畳み掛けも同様だ。感覚でやっているのだろうが、こういうセンスは少しばかりユニークで、耳を持っていく力がある。間奏でボーカルの大澤氏が「おえおえ」言ってるが意味がわからない。ナイスである。サビメロの威力は十分だ。ラフなコーラスも。ここだけは王道が良い。全体的に演奏でなくボーカルがいい具合に曲を壊していく。おどけた歌い方や、安っぽい歌い方を駆使し、格好がつかないままスピーディーに次の展開に入る。ギターの音作りは高音域にフォーカスされることで出しゃばらない。風通しが良い。

    THE SENSATIONSのキャリアは長い。おまけにレーベル運営も行っているとなれば、音楽的視野の広さはなかなかのものだろう。パンクと言えども、その性能は上述のように端々で磨かれ続けている。

    パンクで音楽にハマると厄介だと思う。練習を積み重ねて上手になる、という楽器をやる上での当たり前のアティチュードを素直に愛せなくなるからだ。人はパンクの精神に感銘する。しかし、プレイヤー側に回ると、聴ける音楽を提供しなければ、というこれまた当たり前な命題を前にしてそのアイデンティティが揺らいでしまうのだ。だから訳がわからなくなって、間奏で「おえおえ」言うような、余計なことをやってしまう。

    その閉塞を打破するために、パンクはコミュニティに向けてローカライズされやすい。他ジャンルとがっぷり四つに結婚したり、ユーモアが発達したり。鑑賞に応えないならブレンドするか、鑑賞させずに爆笑させれば良いという魂胆だ。THE SENSATIONSもそれらを高度なレベルで実現している。


    日本でも特にパンクは独自の進化と独自のコミュニティを育んだジャンルだと思う。I HATE SMOKE RECORDSはその極北に在る。パンクはしぶとく、タフな音楽だ。こうして形を変えて「おえおえ」言いながら無理して進化していく。それはとてもすばらしいこと。
    『ローカライズパンクの極北』 を詳しく ≫

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  • STAY YOUNG

    THE SENSATIONS

    インターネット上の「次はこのバンドがくる!」なんて記事はすべて面白くない。バラエティ番組では、面白い発言にテロップがつくのではなくテロップをつけることでそれが面白いことであると決まっていくように、若手バンドのフィーチャー記事の背後を辿れば、そのバンドが既に選ばれているという事実にブチ当たる。 次のバンドとして選ばれたバンドは、永久機関になったビリヤードのように玉突きと補充の対象になる。

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  • インターネット上の「次はこのバンドがくる!」なんて記事はすべて面白くない。バラエティ番組では、面白い発言にテロップがつくのではなくテロップをつけることでそれが面白いことであると決まっていくように、若手バンドのフィーチャー記事の背後を辿れば、そのバンドが既に選ばれているという事実にブチ当たる。

    次のバンドとして選ばれたバンドは、永久機関になったビリヤードのように玉突きと補充の対象になる。

    次のバンドを聴きたい人や次のバンドで連帯したい人や次のバンドを書きたい人はたくさんいる。それは少しだけ金を産むし、それよりたくさんの自尊心をみんなに置いていく。次のバンドは、そうしてインターネットの海にリズミカルに吐き出されてくる。

    THE SENSATIONSの『STAY YOUNG』を聴いたとき、私は満を持して、「次はこのバンドがくる!」を書こうと思った。意外とキャリアがあったこと以外に、それを思い直した理由は、もはやそんな記事は誰の役にも立たないからだ。ある種の人は、次のバンドを次のバンドであるという理由で愛する。そんな世界に与するのはたとえ1000字だけでもよしたほうが良い。

    『STAY YOUNG』はとても良い曲だった。
    なるほど、「モータウン、ノーザンソウルなどの60'sフレーバーをPUNKのテンションで吐き出す」がモットーらしい。とはいえ直接的な影響は90's後半のジャパニーズインディーパンク/スカコアシーンだと考えるのが自然だ。
    DIY。自主レーベル。英語詞。SAX。突き抜けて輝くサビのメロディ。カッティング。半ズボン。ハッピーな仲間意識。
    蘇るそれは輝いていた90'Sの意匠たちだ。それもまたTHE SENSATIONSの魅力。

    イントロから展開の多さが目立つ。小技も効いている。ペコペコのスネアに引っ張られ所々で過剰に曲が前のめりになるのは意図してのことだろう。メロディの畳み掛けも同様だ。感覚でやっているのだろうが、こういうセンスは少しばかりユニークで、耳を持っていく力がある。間奏でボーカルの大澤氏が「おえおえ」言ってるが意味がわからない。ナイスである。サビメロの威力は十分だ。ラフなコーラスも。ここだけは王道が良い。全体的に演奏でなくボーカルがいい具合に曲を壊していく。おどけた歌い方や、安っぽい歌い方を駆使し、格好がつかないままスピーディーに次の展開に入る。ギターの音作りは高音域にフォーカスされることで出しゃばらない。風通しが良い。

    THE SENSATIONSのキャリアは長い。おまけにレーベル運営も行っているとなれば、音楽的視野の広さはなかなかのものだろう。パンクと言えども、その性能は上述のように端々で磨かれ続けている。

    パンクで音楽にハマると厄介だと思う。練習を積み重ねて上手になる、という楽器をやる上での当たり前のアティチュードを素直に愛せなくなるからだ。人はパンクの精神に感銘する。しかし、プレイヤー側に回ると、聴ける音楽を提供しなければ、というこれまた当たり前な命題を前にしてそのアイデンティティが揺らいでしまうのだ。だから訳がわからなくなって、間奏で「おえおえ」言うような、余計なことをやってしまう。

    その閉塞を打破するために、パンクはコミュニティに向けてローカライズされやすい。他ジャンルとがっぷり四つに結婚したり、ユーモアが発達したり。鑑賞に応えないならブレンドするか、鑑賞させずに爆笑させれば良いという魂胆だ。THE SENSATIONSもそれらを高度なレベルで実現している。


    日本でも特にパンクは独自の進化と独自のコミュニティを育んだジャンルだと思う。I HATE SMOKE RECORDSはその極北に在る。パンクはしぶとく、タフな音楽だ。こうして形を変えて「おえおえ」言いながら無理して進化していく。それはとてもすばらしいこと。
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