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ラバーソウルGRAND FAMILY ORCHESTRA

前史を越えてゆけ

太っちょのドラマーがいるバンドってもうそれだけで雰囲気良いよね。
太っちょのキャッチャーがいる野球部みたいなもんでさ。


ダンサンブルでアッパーな流行りのロックかと思いきや、スパイスのような哀愁が良い曲。
コーラスはどこかヨーロピアンでレトロ。あえて、ミクスチャーロックのタグをつけさせてもらった。

構成は意外とシンプルかつ挑戦的。『リンダリンダ』の如きロンド形式。冒頭のリフレインで最後までグイグイ引っ張る。
こういうのは自信か工夫、そのどっちかが無ければできない。


曲を重層的に聴かせているのは間奏かしら。
ファンキーだったり、ラウドだったり、メタリックだったり、そうとう遊んでるのだが聴けてしまう。
背伸びで取り入れてるのではなく、各プレイヤーがアレンジャーとしてモノにできてるからこそだろう。

そりゃそうだ、実はこのバンド、メンバーのキャリアはそれなりにある。
ボーカルの松山晃太は『BYEE the ROUND』、ベースの千葉龍太郎は『新世界リチウム』、ドラムのピクミンは『ハヌマーン』というバンドで一定の実績を残している。

3バンドの個性が合算されているかというと、そうではない。
GRAND FAMILY ORCHESTRAはむしろ、3バンドの核をそっくりそのまま取り除き、そこに注がれた新しい血がギラついている。
松山晃太と共にトリプルギターを構成する二人のギタリストだ。

特に、バーテンダーのようにトラッドな眼鏡(森山良太)が、テレキャスのハイポジションにガッツリカポタストはめてつくる硬質なリードトーンは、曲の要求を満たして有り余る。
松山晃太もこの男の使い所には困っているのではないか。

他方、シルバーアッシュとグレッチの紅一点、江幡亜衣は、RPGゲームの中盤で仲間にできそうなルックスがすごい。
それだけでバンドに興味持てるし、森山と松山だけではクドくなりがちな音作りに、レガシーな音色でスペースをつくる貢献度は高い。

メンバーの前史となる3バンドは、特定のファン層に熱狂的に支持されたが、GRAND FAMILY ORCHESTRAは、ワンスケール広い顧客層を念頭に、大きく山を張っているのではないか。
それゆえに、以前のバンドをこえられない可能性は十分にあると思う。
しかし、そこは打って出てもらわなければこっちも面白くないわけで、皆さんあとはよろしく、といった感じ。

( Written Dec 05, 2016 )

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